時給764円

自転車は通勤で、ハチロクとは腐れ縁で、ドリフトはたしなむレベルで、カメラはドリフトばっかり撮ってます。

そういえば”逆しなり”ってなんなんだろうって記事を書いたのを思い出した話

一年前にこんな記事を書きました。

hourlywage764yen.hatenablog.com

たまたま見かけた何かで「逆しなりで飛距離をだす」みたいな記事が噴飯モノだったので、そんなものが信じられているのかと検索を続けたら、比較的新しい理論として広まっていたという話です。

で、広まってきたのが、どうもスマホやケータイのデジカメが一般的になってきてからっぽくて、フィルム時代の写真で検証してるのを見たことが無いので、あー多分それローリングシャッターだから、と思って書いたんですよねー。 なんでスマホやケータイカメラかというと、イメージセンサーにほぼCMOSを使っているからです(コスト的な理由で) デジカメのイメージセンサーにはCMOSとCCDがありますが、ローリングシャッターに関してはCMOS特有の現象なんです。

簡単に動画や写真が取れるスマホ、そしてそれを間単にWEBにアップロードできるスマホ。 これらが「逆しなり」なんてもんを広めた原因だろうなーって思ったわけです。

それと、インパクト手前でスイングを減速(?)させてヘッドを逆しなりさせ、力を引き出す、なんてことはは、高校物理程度しか知らない私でも変だなーって思ったわけで。

運動量っていうのは、物体の質量と運動速度の掛け算で表されます。 重たくて速いほど運動量をたくさん持っていることになります。 つまり重たいものを速い速度でぶつければより多くの運動量をあたえられるわけで、可能な限り重たいヘッドを可能な限り速いヘッドスピードでぶったたけばいいってことですね(まっすぐ飛ぶと仮定して)

そして運動量保存の法則ってのがあります。動いている物体Aと物体Bがぶつかって、それらが跳ね返ってどこかまた別のところへ動いた場合、ぶつかる前のAとBが持つ運動量の合計と、ぶつかった後のAとBの運動量の合計は一緒だという法則。 止まっているボールの運動量と(動いてないのでゼロ)、クラブのインパクトの瞬間のヘッドが持っている運動量の合計値は、インパクト後の飛んでいく瞬間のボールの運動量とボールにぶつかって減速したヘッドの運動量の合計値と一緒ということになります。と言っても、インパクトの瞬間で腕からの力の入力がゼロになるわけではない(インパクトの瞬間から1mmも無駄にフォロースルーをさせないなんていうことは無理、腕が壊れるよ)、なのでちょっとわかりにくい点もありますが…

また、慣性の法則、「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」ということから、等速運動を続けるには外部からの力を必要としない(真空で無重力な理想状態において)、ある一定の速度で動き続けるものの速度を高めようとしたらさらに力を加える必要がある。 つまりヘッドを最高速でインパクトさせるためには、インパクトの瞬間までクラブを振ろうと力を加え続ける必要がある。

フックの法則、ばねは伸びる(縮む)量に比例して力を蓄える。 コイル状のものだけでなく、線形弾性を持つ物であれば、適用範囲(稼動域)が狭くとも、基本的に考え方は同じかと。コイルバネの伸びて戻る瞬間と、板バネやしなる棒のしなりが止まって戻る瞬間は、同じ状態であると思ってください。 なので、しなりが大きいほど力を蓄えていると言えます。 と、そこで、じゃあその力はどこからですか?って話で、スイング中のヘッドの加速により生じる力を、シャフトが受けてしなったり、インパクトの瞬間に発生した力を受けてしなったりするわけです。 そういうわけなので、無いところから力を得てしなっているわけでもなく、また、しなりが戻るときにはその力を解放(ボールに伝える)するわけです。 ちなみに、しなりが戻る場合の最高速が出る点は静止状態と同じ位置、つまり、棒がまっすぐになった瞬間が最高速です。そこから今度は逆方向にしなり、しなりの限界点でいったん停止してまた戻ってくるわけです。しなる棒が止まるまでには何度も往復するあれと同じですよ。と言うことはクラブのシャフトがどういう状態のときがしなりの戻りの最高速点でしょうかね??

以上から、しなりが戻ってきてヘッドとシャフトが一直線に並んだときのインパクトがヘッドの最高速ではないか?と推測できます。

ヘッドがシャフトを追い越すってことは、シャフトをしならせ続けるだけの力が抜け、シャフトに溜めた力を解放した後の状態であり、ヘッドがシャフトを追い越した状態でのインパクトと言うことはインパクトの手前で力を抜いた証拠でもあるのでは? と言う感じで、逆しなりさせて打つ、ってことに疑問しか浮かばないわけです。

ただまあ、しなりが戻りヘッドとシャフトが一直線になるようなタイミングでインパクトできるように、インパクトの直前にスイングする力をわずかに抜けばいいのかっていうと、そうじゃない気がします。

力積という考え方があり、物体の運動量を変化させるにあたり、「力」と「力を加えている時間」を掛け合わせた量を用います。 つまり、しなりで蓄えた力は瞬間で解放される必要は無く、時間を考えてもよいわけです。と言うことは、しなったままインパクトして、その後それが戻ってリリースされても良いわけで、じゃあそんな時間あるのですかと言うと、実はボールはインパクトの力で変形してそれが戻る力も使って飛んでいくわけで、と言うことはボールが変形して戻るまでの時間はあると言うことです。その間にしなりがちょうど戻れば良いわけです。 静止した物体に別の動いている物体が当たると、動いているほうは減速の力を受けます。ヘッドがボールに当たればそのときにその減速の力を受けます、それはヘッドとシャフトを通して力の発生源である人間に届き、人間のスイングスピードを減少させます。スイングスピードが加速状態から多少なりとも減速状態、もしくは等速運動状態になれば、シャフトをしならせている力は無くなります(等速運動は力を必要としない、つまり力を発生させていない)。しならせるための力が無くなれば、シャフトが蓄えていたしなりの力は解放されシャフトが元に戻る方向に動きます、つまりボールに力を加え始めます。このシャフトのしなりが戻ってヘッドとシャフトが一直線になるタイミングで、ボールの変形が戻り飛び出そうとすれば、それが最高のタイミングではないでしょうか? なので、シャフトのしなりは自分で戻すんじゃなくて、打てば勝手にいいタイミングで戻るシャフトを選ぶ、と考えたほうがよいかと。

シャフトの硬さに合う合わないの個人差があるのは、このボールを打つことによる減速の力に対してどれだけ抵抗できる力があるかで、シャフトが戻りきるタイミングに違いが出るからじゃないかなー、と思ったりするわけです。

まあ、私はゴルフやらないんですけどね。

あと、ゴルフの不思議なんですが、なんでクラブの長さはあんなにバラバラなのでしょうか?あれだと、すべてのクラブに対しての習熟度が必要になりますよね?長さがバラバラということは、自分から打点までの距離がバラバラなわけ。そのバラバラの距離を体に覚えさせるって結構手間ではないでしょうか??? 長さを1種類、できないのであれば3種類ぐらいまでに抑えて、飛距離に関してはロフト角と人間の力のかけ方で…ってやったほうが、ある程度までなら手っ取り早いのではと思う次第です。長さが同じであれば、ロフト角が違っても同じ様に打てば同じ方向に飛ぶんじゃないかなぁ…と思う次第で。 もちろん、性格の差をつけた14本のゴルフクラブを使いこなすほうが攻め方に広がりが出るのでしょうけど、使いこなせなくて打点の微調整ができなくてヘッドの面の中心に当たらず右や左に意図しない方向に飛ぶよりは話が早いんじゃぁ無いかなと…